ザ・ファミリー: 大国に潜む原理主義

ザ・ファミリー: 大国に潜む原理主義

The Family
2019 · アメリカ合衆国
ドキュメンタリー · 約50分/話
7.2陰鬱さ説教臭い主張恐怖要素+2

重厚なテーマ性が光る陰鬱なドキュメンタリーだが、説教臭い語りと難解さが作品の完成度を損なっている。冷徹で無機質な映像が、主張の強さを抑えた淡々としたテンポで綴られる。

対象年齢12歳以上。重苦しく陰鬱なトーンが含まれます。

作品概要

ワシントンD.C.の影に足を踏み入れれば、そこには権力の中枢で暗躍する秘密主義の有力組織「ザ・ファミリー」の姿がある。1935年に創設されたこの謎めいた集団は、私的な祈りのサークルというネットワークを通じて活動し、神が特定の「キーマン」を選び出し、指導者に据えるという哲学を育んできた。組織はあえて姿を隠し、公的な看板を掲げないことで絶大な影響力を行使しており、その最たる例が、ドワイト・D・アイゼンハワー以来、歴代の米国大統領が欠かさず出席してきた恒例行事「全米朝食祈祷会」である。 『ザ・ファミリー: 大国に潜む原理主義』(2019年)は、非政治的な精神的親睦団体であるという彼らの主張と、強力かつ不透明なロビー活動ネットワークという実態との間に横たわる緊張関係の幕を剥ぎ取る。本作は、組織がいかにしてメンバーの道徳的欠陥を管理し、逸脱行為を独自の聖書解釈のレンズを通して正当化することで、政治家を公的な責任追及から守り抜いているかを検証する。物語が展開するにつれ、組織のグローバルな広がりが明らかになり、彼らの親密な「インリーチ(内部浸透)」プロセスや国際的な祈りのグループが、いかにして政治的影響力を行使するための裏ルートとして悪用され得るのかという、切迫した問いを突きつける。 宗教と国家権力が交差する危険な領域を探求する本作では、エリートたちの影響力が歯止めなく振るわれ、権威が神から授けられたものとして扱われる様が描かれる。世界で最も権力を持つ者たちを結びつける兄弟愛の心理的魅力に迫るこの緊迫の調査ドキュメンタリーは、政府の回廊で真に糸を引いているのは誰なのかという問いを、視聴者に投げかける。